第4回取材旅行 その1
渡航国 デンマーク
訪れた街 コペンハーゲン
期 間 2012年9月24日(月) 〜 2012年9月28日(金)
言 語 デンマーク語 (英語もよく通じました)
通 貨 クローネ
航空会社 タイ航空
アクセスルート 往路 成田空港 →6時間30分→ タイ スワンナブーム国際空港 →11時間20分→ コペンハーゲン カストロップ国際空港
  移動 コペンハーゲン中央駅 →12時間20分→ フランクフルト中央駅
泊まった宿 コペンハーゲン Omena Hotel Copenhagen

まだ残暑が厳しい東京を後に、秋から冬の料理を探して僕たちは北欧の南端、デンマークへ。 この地域は初めてです。はてさて、どんな料理が待っているのでしょう?


例によっての低予算が故、北欧へ行くのに一度南下してバンコクへ。 南国のスワンナブーム国際空港ではちょっと奇妙な気分でしたが、 無事にデンマークのカストロップ国際空港に到着しました。


イミグレーションとバゲッジクレーム、税関をさくっと抜け、 直結している鉄道でコペンハーゲン中央駅へ。 到着したの8時半過ぎ。クラシカルな駅がいい雰囲気です。

ここは日本でいうなら東京駅。
平日の朝、8時半ちょっと過ぎの時間にも拘らず、この程度の人しかいません。 それもその筈、デンマークの人口は約560万人。東京都民の半分くらいですからね。 当然、走って電車に駆け込む姿も見当たりません。長閑なものです。

外へ出ても交通量が少ないので静かなもの。
空気が澄んで気持ちいいですね。
駅中のカフェで珈琲とデニッシュ(現地ではヴィーナ―ブロート(ウィーンのパン))を食べ、 さてさて、取り敢えずホテルに行って荷物を預かってもらいましょうか。

これは夜に撮ったホテルの外観。
駅から徒歩3分くらいのいい立地。
ところがチェックインしようとすると・・・
お約束のサプライズが待っていました。
いやはや、「オートチェックイン」とはどういうことなのか。
大変勉強になりました。
詳しくはブログで「第4回取材旅行」を検索してみて下さい。

やっとこさ辿り着いた室内はこんな感じ。
こじんまりとしながらも備品が機能的に備え付けられ、使い易い部屋です。 Wi-fiのスピードも申し分なし。


さて、一息ついたところで街の探検開始です。
駅の反対側は有名なチボリ公園。 ヨーロッパの遊園地なんて、大人になっても素敵だなぁ。 では早速・・・
と思いましたけど、秋は殆ど休園だそうで残念!

チボリ公園前の広場を抜けると今回の主たる取材地、繁華街のストロイエです。

石造りの美しい街並み、軒を連ねるお洒落なお店、
行き交う物静かな人々・・・ これぞ北欧の街と言う感じ。中央の特徴的な建物は、1647年、クリスチャン4世によって建てられたラウンドタワーと呼ばれる天体観測所。

いい匂いがしますね。
ヨーロッパでも人気のドネルケバブ。 しかし店名はシャワルマ(SHAWARMA)。 実はこれ、トルコ人ではなく、アラブ系の人がやっている店なのです。 トルコ料理は確かに美味しいのですが、 オスマン帝国時代の被占領民の立場から言葉まで受け入れるのは癪に障ったのか、 アラブ系の国々で見かけるドネルケバブ屋では、この料理をシャワルマと呼んでいます。 試しにシャワルマ屋で買い物をした時は、「シュクラン!」と言ってみて下さい。 これはアラビア語のありがとう。ドネルケバブ屋だったら「テシェッキュレデリム!」です。

腕時計に目をやればそろそろお昼。
お腹も空いて来ましたので「お仕事」を始めましょうか。
コペンハーゲンで見かけたレストランは、こうして半分地下になっているところが多く、 ファサードも目立たないので気を付けていないと見落としてしまいそう。 アジアでは普通のプラスティック製内照式看板や明滅するネオンはまずありません。

深緑色のテーブルクロス。柔らかく差し込む日差し、 初めて入っても落ち着ける、やさしい雰囲気。

取材の第1候補はスモーブローと呼ばれるオープンサンドウィッチ。 薄切りにしたライ麦パンに様々な種類の「おかず」が乗ったものです。 代表的な具は小エビとスモークサーモン、ウナギの燻製、ニシンのマリネカレークリーム添えなど。 このレストランでは店の端にある大テーブルに、所狭しと様々な種類のスモーブローが並んでいました。
よぉ〜し、どれにしようかな?

そうそう、忘れていました。レバーパテも有名だったんですよ。 粒マスタードがよく合います。

おっと定番も忘れてはいけません。 小エビと脂ののったスモークサーモン。 これにちょいとタルタルソースを添え、レモンを絞り、 ディルと一緒に口に入れてごらんなさい。 あ〜、遠路はるばるここまで来た甲斐があったって心持になるじゃありませんか。ともこは思わずビールをおかわり。

そして最後はウナギの燻製。
辛みのアクセントは玉ねぎ。香りはこれもディルです。
え?そんな食べ方は邪道?ウナギは蒲焼が一番?
その通り。しかし、ここは種類が違うのですよ。 切り身の大きさからして僕たちが食べ慣れたウナギの数倍はある大物。
食感はこりっとして歯応えがあり、知らなければこれがウナギとは思えない味。 これもまたそれぞれの具をバラバラに食べるより、全部一緒に(一度にじゃありませんよ) 口に入れると、味と香り、そして食感のハーモニーを堪能できます。
ウナギに持っていた既存のイメージが変わる逸品でした。

さぁ、腹ごしらえが出来たら、街の探検の再開です。 まずはここ、運河の周りにカラフルな木造家屋が並ぶニューハウン。 レストランやカフェが多く、ちょっと一休みするにもいいですね。

さながらテーマパークのようにも見えますが、 運河に係留されている船は、みな現役。 どれも手入れが行き届いています。

さっきの昼食は腹八分目だったので、もうちょっと食べたいところですね。 と思っていたら、どこからかいい匂いが・・・あ、あそこに屋台がありますよ!

おお!あの香ばしい匂いの正体はこれだったのか!
大きな粗びきポークのソーセージ。デンマークではポルサーと呼ばれています。 マスタードをたっぷりつけて、がぶっと行きましょう! え? ビールも買ってくれ? そんなに最初から飛ばすとディナーが食べられなくなっちゃうよ。

いやぁ、結局食べ過ぎてしまいました。 ホテルまで戻って一休みしましょう。 ちょっと楽をして、運河を走る水上バスで戻ります。

9月下旬になるとコペンハーゲンの気候は東京の11月下旬くらい。 風はかなり冷たいのですが、やっぱり外の席の方が解放感もあっていいですね。

観光船ではないのですけど、 張り巡らされた運河から見る景色は、どこも絵になります。 街そのものが、ひとつの大きな美術館のようです。

ディナーは老舗のレストランPUKへ。
ご覧の通り、半地下で、これまたうっかり見落としてしまいそうな入り口です。 でも中に入るとローカルたちでいっぱい。空いていたテーブルはひとつだけでした。

コペンハーゲン風のベークドサーモン。
ふっくらとしたサーモンをマッシュポテトでコーティングしてベークした料理です。 旨みを残さず閉じ込めた、一種の包み焼き。このアイデアはいいですね。

デンマーク版のさつま揚げ、フィスク・フリカデッラ。
ハーブたっぷりのデップで頂きます。 野菜も盛り沢山でかなりのボリューム。

ともこと料理の大きさを比べてみて下さい。 これが料理取材の悩みの種。 別にスーパーサイズを注文した訳じゃないのですよ。 普通に主菜を2品オーダーしたらこの状態。 美味しいけれど苦しい!
コペンハーゲンは治安がいいので、腹ごなしにちょっと散歩してからホテルまで帰りました。

夜のコペンハーゲンの街は美しいですね。
これというランドマークはなく、地味と言えば地味なのですけど、 落ち着いた佇まいが僕は好きです。

翌日はストロイエを抜けて市場へ行きましょう。
生憎、小雨のぱらつく天気でしたが、それがまたいい雰囲気です。 こうした小さな広場が至る所にあります。

雨に濡れた石畳が美しい。
それにしても、デンマークに限らず、ヨーロッパは傘を差さない人が多いですよね。 結構雨脚が強くなってきても、髪を濡らしながら肩をすくめて歩いています。 皆さん、風邪を引かないのかしらん?

あ、見えてきました。
随分きれいな建物ですね。

まずは腹ごしらえです。
朝食抜きで歩いて来ましたから、もう腹ペコ。
どれにしようかな?

ハムのパニーニとクロックムッシュ、それにヴィーナーブロート。 これも大きいので二人ともお腹いっぱいになりました。

OK、雨が上がったようです。
それではクリスチャンハウンの救世主教会まで歩きましょうか。

僕たちの街歩きはこうです。
地図で現在位置と目的地から方角を確認したら、 時々コンパスを見ながら、その方向に進んで行きます。 方角さえ合っていれば、やがては目的地に着くので、 お?っと思った路地にはどんどん入って行きましょう。

時々道に迷うこともありますが、それはそれ。
反対に、思わぬところで面白い発見があることも。

さぁ、着きましたよ。400段以上ある階段を昇れは・・・

コペンハーゲンの市街が一望できます。

少々息が切れますけど、かいた汗の報われる眺望です。
あ、高所恐怖症の方はお勧めしませんが。

コペンハーゲンは自転車社会。
多くの人々が使い込まれた愛車に跨り颯爽と走っています。
道路も自転車専用レーンがしっかり整備されており、 マナーも良いので歩行者が危険を感じることはまずないでしょう。

ランチの前にカステレット要塞までお散歩。
かつての軍事施設で、今でも兵舎がありますが、 緑が多く、遊歩道が巡らされた大きな公園のよう。

一見して観光客よりローカルの方が多い気がしました。
落ち着いた、とても雰囲気のいい所です。

さて、ランチにしましょうか。
ヨーロッパの都市では建物の角地がカフェやレストランになっていることが多く、 それが景観の特徴になっているような気もします。 こうした場所はビジネス的にも一等地ですから、 それだけ人々にとって大切な場所なのでしょうね。

ここでも注文してみました、ウナギの燻製のスモーブロー。 味、香り、そしてしっかりした歯応えは、日本のウナギとは別物です。これはちょっとクセになりますね。

もう一皿は牛タンの冷菜です。
ディルの香り、玉ねぎの辛み、マスタードの酸味と風味が絶妙に織りなすハーモニー。

派手な所はなくても、 ただ歩いていて楽しい街並み。 よく見ていると色々な発見があります。

ほら!どうです?なんか素敵なコンデトライ(洋菓子店)じゃないですか? 中を覗けばお客さんでいっぱい。あ、でも空き席がありそうですよ。

飲み物のオーダーは席で、ケーキは入り口のショーケースでします。 オーダーしたのは大きなシュバルツバルト。 ああ、この生クリームの美味しさといったら。 体重の心配なんてしていられませんよ。 ポットでサーブされた熱々のコーヒーも素晴らしい。 こうした時間の過ごし方は、なかなか普段の生活ではできません。

駅の近くまで戻る前に市庁舎の横を通り過ぎると、おや?このおじさんは、アンデルセンさん! コペンハーゲンで暫くのんびりして、久し振りに童話のページを繰る、なんて出来たら素敵でしょうね。

この市庁舎、100年に1000分の1秒しか狂わないイェンス・オルセンの天文時計が見学出来たりもするのですが、 外周を周っても、ユーモラスでユニークな彫刻がいっぱい。

ね? 面白いでしょう?

さて、日も暮れてきました。今夜のディナーはここにしようかな。
お目当てはデンマーク名物のフレスケスタイ。
ポークの皮付肉に塩とコショウをすり込み、オーブンでじっくりローストしたボリューム満点のご馳走。 この料理の命はパリパリに焼いた皮の香ばしさです。 ビールが進みますよ。あ、この国ではもちろんカールスバーグで決まり!
翌日のランチはここ。はら、このレストランも角地角地にありましす。 そして半地下というのもお約束。
ここではもう一度、フィスクフリカデッラを食べておきましょう。この料理は皆さんにご紹介する候補の上位ですからね。食べ比べは大切なのです。
もう一品は北海名物の舌ヒラメのムニエル。シンプルですが口の中でとろけるような美味しさ。とどのつまり、デンマークではシーフードかポーク料理を注文すればハズレなし、ということなのでしょうね。
今夜は国際夜行列車でドイツのフランクフルトまで移動。旅に出ていると毎回思いますが、もうちょっと長く居たくなります。ではラウンドタワーに昇って、もう一度この美しい街を眺めておきましょう。

こうした小さな美術館も沢山あり、次に来たら行ってみたい場所のリストがいっぱいになってしまいました。

さて、夕食用のパンとハム、チーズにワインも調達完了。いよいよ出発です。

僕たちのコーチは6人部屋。オランダ人とイラン人の若い女性。中国人の老夫婦と一緒。多国籍チームの中で色々な話をしながらの食事は楽しいですね。さぁ、明朝6時半にはフランクフルトに到着です。国際列車で寝過ごすと他の国まで行ってしまいますから気を付けなくては。それではおやすみなさい。

To be continued!! → その2 ドイツ編

 

取材の結果はこちらをご覧下さい。→ デンマーク料理特集

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