第1回取材旅行
渡航国 モロッコ
訪れた街 カサブランカ  マラケシュ
期 間 2011年2月22日(火) 〜 2011年2月28日(月)
言 語 フランス語 アラビア語 ベルベル語
通 貨 モロッコディナール
航空会社 エミレーツ航空
アクセスルート 往路 羽田空港 →1時間30分→ 関西国際空港 →11時間→ ドバイ →8時間20分→ カサブランカ
  復路 カサブランカ →7時間50分→ ドバイ →9時間10分→ 関西国際空港 →1時間10分→ 羽田空港
泊まった宿 カサブランカ Hotel ATLAS LES ALMOHADES
  マラケシュ Hotel AGDAL


ととら亭を開業して11ヶ月が経ちました。
仕事も少し落ち着いたことだし、いよいよ旅の食堂としての旅に出発しましょうか。記念すべき第1回目は、どうせなら行ったことのない大陸、アフリカの何処かにしよう!っと言うわけで、最初の候補はエジプト。ところがチュニジアで起こったジャスミン革命が飛び火し、北アフリカ諸国はどこも大騒ぎ。しかし一箇所だけ、火事場の外がありました。それがモロッコ。日本でもお馴染みのタジン鍋料理をはじめ、クスクス、モロッカンサラダ、ミントティーなど、美味しいものが沢山あるそうです。これは是非行かねば!

ひゃ〜・・・やっとここまで来ましたよ。
左はカサブランカの街外れにあるカサ・ヴォワジャー駅。
格安航空券の鈍行便でしたから、
ととら亭を出発してここまで約29時間もかかりました。

お尻が痛い。

しかし、マラケシュにある初日の宿は、まだこいつに揺られて5時間先。

ホテルにチェックインしたのは21時過ぎでした。
ほとほと疲れていましたから、夕食はすぐ近くのローカル食堂で。

まずはハリッサで和えたオリーブで胃袋を起こしましょう。

※ハリッサ
マグリブ諸国で用いられるホットペースト。
日本ではチュニジア製のものが市販されています。


次はやっぱりこれですな、野菜のクスクス。
あっさりしていてとてもヘルシー。
メインはチキンのタジン。
スパイスはクミンがベース。
これにハリッサを入れるともう最高ですよ!
ここまでの疲れを忘れさせる味でした。

さて、ぐっすり眠って元気になったら、
いよいよマラケシュのスークに行きましょう。

スーク(SOUQ)とはアラビア語で市場のこと。
「なぁんだ市場か」っと言うなかれ。
恐るべきは、その規模と構造。
いったい何店舗あるのか誰にも分からないのではないかしらん?
そしてそれが平屋構造でうねうねと続き、
初心者が入ろうものなら、まず迷うこと間違いなし。

こんな入り口から入ると・・・


内部はこうした路地が、
不規則な網の目状に延々と続いています。
ここはオリーブや漬物を売るお店。

こうした間口の小さなところが多いですね。
裏口はありません。
お兄さんは商品の棚の下にある隠戸をくぐって中に入ります。
通りごとに食品、衣料品、装飾品などが集められています。

面白いですよ。
その国の文化を知る一番の早道は、市場に行くことです。


モロッカンスイーツもありました。
ピスタチオやナッツ類を多く使った香ばしいもの。
これを齧りながらの散策もまたよし。
脇道を見るとこんな感じで・・・
道は直線が少なく、複雑に曲がりくねっているので、
コンパスがないと、どの方向へ歩いているのか分かりません。

お〜・・・こりゃ何処へ続いているんだろう?

登山やバイクツーリングの経験から、
僕はオリエンテーリング能力に長けた方だと思いますが、
ここは歩き始めて10分も経たないうちに、
現在位置と方向を見失いました。

ま、迷うこともまた旅の楽しみでもあるんですけどね。


ふと腕時計を見れば、もうお昼。

いい感じのローカル食堂があったので入ってみましょう。

注文は昨夜と同じく野菜のクスクス。

え? これが好物なのかって?

いや、好きといえば好きですが、
いろいろな所で同じ料理を食べないと、
その料理の本質って分からないのですよ。

今回は「仕事」で来ていますからね。
ですから、これも仕事なわけです。

モロッコのクスクスは左に写っているスープをかけて食べます。
爽やかな酸味とクミンを中心としたスパイスの香り、
チキンと野菜の旨味が溶け合って、
何ともいい味を出しているんですよ。

メインはマトンキョフテ(ミートボール)のタジン。
白いのは半熟卵です。
これだけでも十分美味しいのに、右上のハリッサを加えると、
溜息ものの旨さになります。
ああ・・・生きていて良かった。
満腹したところで午後は今回の旅の裏ミッション。
訪れたのは怪しげな骨董品屋です。
これ、何だか分かります?

詳しくはブログをご覧下さい。

なんとかスークを脱出し、
広場脇のカフェのテラスから。

向こうに見えるのがさっきまでさ迷い歩いたスーク。
いかがです?
ららぽーとTokyo-Bayより大きいでしょ?
(ね?ジュンちゃん?)

手前の駐車場のようなスペースがジャマ・エル・フナ広場。
これ、実は世界遺産なのですよ。

ただの駐車場が世界遺産?
そんな訳ない?

そうですよね、
周りの町並みの方がずっと雰囲気あるし・・・

しかし、日が暮れると分かります。
なぜここが世界遺産なのかが・・・


あの立ち昇る煙と光は何だって?
宇宙船の入り口?
いやいや、「未知との遭遇」(古い)よりもっと凄いですよ。

さぁ、一緒に中へ入ってみましょう。

光と煙、そして喧騒の正体がこれ。

ひしめき合う屋台のカオス!
台湾の夜市ものけぞるアラビックパワー炸裂の熱気です。

屋台の周辺にはベルベルダンサーやベルベルバンド、
はてや蛇使いや猿使いに寸劇(僕には意味不明)、
そのほか怪しげな芸人がところ狭しと集まり、
他に類を見ない世界が繰り広げられています。

最初は「こえ〜・・・」っと思いましたが、
仕事で来たんだから仕事しなくちゃ。

で、フォースに導かれて買ってみましたよ。

炭火でこんがり焼けたケバブをアラブのパン、ホブスに挟み、
ハリッサをたっぶりかけたモロッカンジャンクフード!

これがちょ〜〜〜〜美味い!

いろんな屋台があるのですが、日本の夜店のように、
「やきそば」とか「お好み焼き」みたいな看板がないので、
そばに行って覗き込まないと何を売っているのか分かりません。

ま、仮に書いてあったとしてもアラビア語では分かりませんけどね。

こんなのもありました。
カタツムリです。
八角風味の塩茹で。

え?食べたのかって?

もちろん。
美味しかったですよ。

中にはちゃんとメニューをおいて席のある店も。
まず、羊と野菜のシシケバブ。
これだけでは大したことありませんが、
ハリッサを付けて食べると魔法のように美味しくなります。
モロッコ風季節の野菜のソテーって感じかな?
どれもスパイシーで幾らでも食べられそう。
ここでもクスクスを注文してみました。
すんごい具沢山で下のクスクスが見えませんね。
だ、ダメだ、食べ過ぎ・・・
ホテルへ帰ろう。

向こうに見えるのは、美しいクトゥビアのシルエット。


翌日のランチはちょっと高級なレストランへ。
いろいろな種類のオリーブのマリネがあるでしょ?
どれも美味しいんですよ。
右側がモロッカンサラダ。
さっぱりしていてスパイシー。
さて、これがこのレストランに来た目的。
モロッコでお祝いの時に食べる料理、パスティラです。

パートフィロのような薄いパイ生地で、
ほんのり甘いアーモンドプードル、
ラス・エル・ハノートと呼ばれるミックススパイスでソテーしたチキンを包み、
オーブンでこんがり焼いたもの。
未経験的な美味しさです。

食には欠かせないこちらの話題も。
どう使用するのか分かりますか?
マラケシュでのミッションが終わった僕たちは再びカサブランカへ。

メディナの中にあるここのスークは観光的要素が殆どありません。
その分、ローカルパワー爆発!っといった迫力。
城壁の門で僕らが入るのを躊躇っていると、
ひとりのお爺さんが僕のところへ近付いてきました。

「あんたは日本人かい?」
「はい。」
「モロッコへようこそっ!」

この言葉で勇気付けられた僕らは旧市街のメディナの中へ。

プラスティックのパックに入った野菜なんてありません。
山積みの野菜を袋に入れてキロなんぼ。
価格はアラビア式ですから常に交渉です。
小腹が空いたので、いい匂いのする方へ足を向けたら、
何やら人だかりのある店があります。

何だろう?

売っていたのはこれ。
熱々ふわふわでほんのり甘い、モロッカンドーナツ。

ほっぺが落ちますよ。

スパイス店が並ぶスークでは、ととら亭で出す料理の食材を買いました。

お目当てはラス・エル・ハノートと呼ばれる、
ミックススパイスの原材料を手に入れること。
パウダーではなく、ホール状態でミックスされているものもあるので、
それを調べれば内容物だけではなく、分量の割合も分かりますからね。


ここではモロッコ特産のアルガンオイルも入手。

「わしは毎日スプーン1杯飲んでいるんじゃ。
  だから肌もつやつやじゃろう?」

とはご主人談。
本気かジョークか、はてさて?

確かにテラテラしていました。
特に「おでこ」のあたりが。

最後の晩はメディナの外れにあったローカル食堂で。

メニューは定食ひとつしかありません。

まずはショルパ。

次はサフランライス。

メインは羊のタジン。

そういえば日本でタジン料理というと、
あの独特な形をしたフタのあるものを想像すると思いますが、
こちらではフタをせず、そのままぐつぐつ煮て出すことが殆ど。

ま、美味しいのでそれもOK。


これがモロッコディナール。
残金を逆両替する前に写真を撮りました。

すべてのミッションを終了した僕たちは、
無事、ムハンマド5世空港へ。
ここからまた長い道のりです。

そうそう、ともこの格好にご注目を。
これが典型的なバックパッカースタイル。
正確には「バック」だけではなく、
機内に持ち込むサブザックを体の前にかけてますから、
サンドパッカーですね。

See you on the next trip!!


 
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