<<旅のメニューが変わります>>

 世界のギョーザ特集パート6

今や日本の国民食ともなったギョーザ。
あまりにも身近すぎて、名前やレシピに僕たちは何の疑問も持っていませんでした。
ところがトルコを旅して出会った『マントゥ』は、同じギョーザの一種と言っても、
日本のものとはまったく違った料理だったのです。
さらに驚いたのが、トルコから遠く離れた韓国でギョーザが『マンドゥ』と呼ばれていたこと。
これはどういうことなのでしょう?
こんな疑問から始まった僕たちのギョーザを巡る旅も、
東は中国のジャオズから西はドイツのマウルタッシェまで、14カ国17種になりました。
今回は柴又で初めてのギョーザ特集。途中で種類を切り替えながら、合計6種類をご紹介しましょう!

期間 2023年9月27日(水)〜10月末(予定)

Pirohy

スロバキア ブラチスラバ風 ピロヒー

 <<前菜>>  1000円

ピロヒーは卵入りの小麦粉の生地でポテトとチーズを包み、茹で上げたギョーザの一種。名前とレシピから察するに、ロシアのペリメニがポーランドに伝播してピエロギとなり、それが更に伝わってピロヒーが生まれたのではないか、と僕は考えています。大きさは日本のギョーザのほぼ倍くらいでしょうか。ヨーロッパの人々は基本的に効率と合理性を重んじるせいか、ギョーザは大型化する傾向があります。確かに小さなものをちまちま作るより、大きく作った方が楽で時間の節約にもなりますからね。食べ方は塩気で食事をする米食文化圏と異なり、パン食文化圏では油を伴うようになります。ピロヒーも食べ方は醤油やラー油ではなく、バターソースをかけてサワークリームを添え、さらに塩漬けブタのクルトンを散らすというもの。これらはウクライナのバレニキなど東ヨーロッパでは共通した傾向です。

Gyurza

アゼルバイジャン バクー風 ギューザ
<<前菜>>  1200円
ユーラシア大陸に広く分布する「ギョーザのような」食べ物。 それらはモンゴルでバンシュ、ジョージアではヒンカリと呼ばれていますが、アゼルバイジャンでの名前はなんとギューザ(Gyurza)! 現地で初めて注文したときは、綴りから「ギュルザ」と発音したら「ギューザ?」と聞き直されてしまいました。これほど日本版に似た名前は、今のところ他で耳にしたことがありません。しかし、料理はまったくの別物で、形、味、そして食べ方のすべてが日本ギョーザと異なります。まず目を引くのは『ねずみ包み』とも呼ばれるユニークな形。レシピはもちもちの皮にラム肉をぎっしり詰めて茹で上げ、バターソースとスマック(中東でポピュラーな、ゆかり風のスパイス)を振りかけるというもの。同音異義語のようなコーカサスのギョーザとはどんなものか? これは食べてみなくては分かりません。

Manduck

韓国 ソウル風 マンドゥック
<<主菜>>  1300円
ギョーザがもし中国発祥の料理であるならば、日本と韓国はそれぞれ隣国から伝わった可能性が高いと考えられます。ところが距離的には大差ないにもかかわらず、日韓のギョーザは名前もレシピもまったく違っていました。まず、韓国ではギョーザをマンドゥと呼ぶのです。これは餃子(ジャオズ)の古称、饅頭(マントゥ)が転訛したもの。主流は蒸しタイプのジンマンドゥ、その他に焼くか揚げたクンマンドゥ、茹でたムルマンドゥなどの種類があります。そして具にはご当地らしくキムチをはじめ、豆腐やもやしが入り、大きさのわりにあっさりしているのが共通の特徴でしょうか。これらは粉食(プンシク)店という専門店で食べられるほか、惣菜店でも冷凍、生の両タイプが売られ、市井の食に深く根を下ろしていました。今回は韓国のりが香る、あっさりスープに入ったマンドゥックをご紹介しましょう。

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