<<旅のメニューが変わります>>
世界のギョーザ特集 パート5
ギョーザを巡るユーラシア大陸の旅も、東は中国のジャオズから西はドイツのマウルタッシェまで、14カ国17種になりました。今回は久しぶりのピロヒー(スロバキア)とマウルタッシェ(ドイツ)に加え、新しくは2019年の取材地モンゴルから、じわっと温まる具だくさんスープギョーザのバンシタイシュルをご紹介します。

期間 2021年1月30日(土)〜2021年4月中旬(予定)

Pirohy

ブラチスラバ風 ピロヒー

<<前菜>> 900円
ピロヒーは卵入りの小麦粉の生地でポテトとチーズを包み、茹で上げたギョーザの一種。名前とレシピから察するに、ロシアのペリメニがポーランドに伝播してピエロギとなり、それが更に伝わってピロヒーになったのではないか、と僕は考えています。大きさは日本のギョーザのほぼ倍くらいでしょうか。箸で食べる料理はヒトの口の大きさを基準に材料が刻まれますが、欧米ではナイフで切ることが前提なので料理のサイズに制限はありません。また、合理性と効率を重んじる文化であるためか、小さなギョーザをちまちま作るより、2〜4個で1人前となるように、ここでもサイズの大型化がみられます。供しかたも塩気で食べる米食と異なり、油分が欠かせないパン食の文化圏ですから、ギョーザに付けるのもバターソースです。それにサワークリームと塩漬けブタのクルトンを添えるのがスロバキア流。

Maultasche

 フランクフルト風 マウルタッシェ

<<前菜>> 1000円
時代を問わず、何びとであろうと美味しいものが大好き。食に国境はありません。イタリアにほど近いドイツ南西部のシュヴァーベン地方では、パスタやピザの食文化を取り入れ、イタリア版ギョーザともいえるラビオリからマウルタッシェが生まれました。一説によると考え出された動機はやや不純なようで、宗教的に肉食が禁止されていた聖金曜日でも肉を小麦の生地で包んでしまえば神様にも見つかるまい・・・そう企んだ司祭の作とも言われています。現地では具や形に様々なバリエーションがありますが、ととら亭ではともこ料理長がドイツ料理レストランで学んだ、卵入りの生地で合挽き肉、ソーセージ、ホウレンソウなどを包み、茹でてからチーズをのせてこんがり焼いたものを作りました。お供は北ヨーロッパの定番的脇役、紫キャベツの甘酸っぱい赤ワイン煮込み。ところ変わればギョーザの食べ方も変わります。

 

 ザミンウード風 バンシタイシュル

<<主菜>> 1500円
2017年にロシア(コミ共和国周辺)のギョーザ、ペリメニをご紹介しましたが、これと中国の餃子の関係は以前から気になっていました。そこで探してみると地理的中間に位置するモンゴルにバンシやボーズと呼ばれるギョーザがあるそうな。後日、現地で確認したのは、同じヒツジの挽肉を小麦粉の生地で包んだものでも、半月型にして揚げるとホーショール、小籠包のようにして蒸せばボーズ、古いおカネの形にして茹でた場合はバンシと呼ばれ、別の料理として扱われること。ここで更なる謎となったのは、バンシという言葉の出どころです。この語にはモンゴル語や北京語で意味はありませんでした。ということは外来語なのですが、いったい、いつ、どこから伝わったのでしょう?そんな思いを巡らせながら、今回ご賞味いただくのは、国境の街ザミンウードで出会ったバンシの具だくさんスープバージョンです。

Georgian Wines

 ギョーザに合わせたお勧めワイン

各国のギョーザと合わせるのは同じくヒンカリというギョーザを持つジョージア(グルジア)のワイン。8000年の歴史に育まれたワイン発祥地の深い味わいをお楽しみ下さい。
白ワイン シュフマンサーモ ツィナンダリ
3600円
赤ワイン シュフマンサーモ サペラヴィ
3600円

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