アジアから中東の各国ではミートボールをコフタ、クフタ、キュフタといい、 この語はペルシャ語で「打つ、挽く」を意味する動詞kuftan が転訛したものであることから、 ペルシャ(現イラン)由来の料理ではないかと考えられています。 ここ、トルコでもミートボールはキョフテと呼ばれ、中でもクミンとガーリックが香る、 ちょっとピリ辛の牛ひき肉をシンプルなトマトソースで煮込んだイズミールキョフテは、 レストランから指差しオーダーのローカル食堂ロカンタの定番料理。
イスタンブールのレストランで
僕たちが食べたオリジナル
微笑ましいのは、今では犬猿の仲となったギリシャが希土戦争後、 スミュルナ(イズミールの旧名)から撤退した時に、この料理をちゃっかり持ち帰ったことです。 スミュルナ・スズカキヤとギリシャ風に名を変えたイズミールキョフテは、 ポークOK、ピリ辛感はなしの点以外、レシピもほぼそのまま、 現代のギリシャにしっかり根を下ろしていました。