<<旅のメニューが変わります>>
 レバノン料理特集

メルハバ!(こんにちは!) 知られざる美食の国、レバノン。アラビア半島の北西部に位置しつつも雪の積もる3000メートル級のレバノン山脈を東背に持ち、肥沃なベッカー高原ではさまざまなフルーツや野菜が作られています。この地域ではムスリムが多数派ながらも国民の3割前後をキリスト教徒が占めているため、食の戒律が緩く、より自由で豊かな食文化が育まれてきました。まさに、その洗練された美味しさは自他ともに認めるところ。中東で「ご馳走を食べに行こう!」となった場合、行き先は大抵レバノン料理レストランなのです。今回は定番から、ちょっとお洒落なものまで取り交ぜて、ワインやビールと一緒にご紹介しましょう!

期間 2020年7月30日(木)〜10月末(予定)

Kibbeh

キッベ

<<前菜>>   900円
レバノンの面積は岐阜県とほぼ同じ。しかし長らく陸上交易の要衝だったため、古くはフェニキア、エジプト、近代ではフランス、アラブまで、9回以上も統治者が変わるという複雑な歴史を持っています。その影響は多かれ少なかれ料理にもおよび、各民族の残したレガシーが現代の一皿に認められるケースも珍しくありません。そこでまずアラブ系代表としてご紹介するのが、語源をアラビア語のボールを表すクッバ(kubbah)に遡るキッベ。ブルグル(引き割小麦)の衣でスパイシーなビーフの挽肉、松の実を包み、からっと揚げたバージョンです。この香りだけでもいきなり歴史の旅に引き込まれますよ。

Tagine samak bi tahini

タジン サマック ビ タヒニ

<<主菜>>   1400円
異なる文化の出会いは常に双方向の流れを生み出します。アラブが北アフリカまで勢力範囲を広げた8世紀、信仰とは逆の流れで伝わった物のひとつが、素材の水分を使って蒸し焼きにするタジン鍋とその調理方法。しかし時と場所を隔てて物事が伝わる場合に変化は避けられません。いつしかエジプトや中東諸国では、キャセロールに盛り付けただけでもタジンと呼ばれるようになりました。ベイルートで見つけたこの料理もそのひとつ。キャセロールにコクのあるタヒーニ(ゴマ)ソースを敷いてベークした白身魚を乗せ、レモンを絞って頂く、実に中東らしいシーフード料理です。

Lamb kebab with cherry yoghurt sauce

ラムケバブのチェリーヨーグルトソース添え

<<主菜>> 1800円
数千年を越えて戦(いくさ)の絶えない中東ですが、たとえ剣を交えた相手でも、おいしい料理までは否定しないのが人の性(さが)。現在のレバノンを含む大シリア地方もまたその例外ではなく、16世紀から約400年間に渡って支配下に入ったオスマン帝国の版図から、さまざまな食材と料理を吸収してきました。この料理はそうした要素がさらにレバノンで発展したもののひとつと言えるでしょう。こんがり焼いたスパイシーなラム挽肉のケバブに酸味と甘みが調和したチェリーソースとヨーグルトを添えた逸品。これにフランス統治下で伝わったフレンチフライを合わせると、一皿で近代史そのものが味わえますよ。

レバノンのお酒

ブドウとワイン発祥の地、コーカサス地方にほど近く、紀元前、地中海沿岸諸国にこれらを伝える中継地だったレバノンは、現代でもおいしいワインの産地として知られています。また、欧州に引けを取らないビールや蒸留酒の元祖であるアラックも、レバノン産は中東随一。今回の料理とも相性抜群です。

ビール アルマザ
850円
白ワイン ブラン・ド・ロブセルヴァトワール
3300円
赤ワイン レゼルブ・デュ・クヴァン
3500円
食前食後に アラック 53度
グラス 600円

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