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ギリシャ料理特集 | |
ヘーレテ(こんにちは)! 経済危機が報じられて記憶に新しいギリシャですが、それでも西洋文明の原点を築き上げた栄華は色褪せていません。特に種類が豊富でヘルシーなギリシャ料理は、イタリアや南フランスなど地中海料理のひとつに数えられていても、トルコやアラブの食文化をより巧みに吸収し、ひときわ異彩を放ったものとなっています。今回は美味しさと共に長い歴史がぎゅっと詰まった代表的な料理と、珍しい地ブドウを使ったワインや蒸留酒をご紹介しましょう! |
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期間 2018年4月4日(水)〜6月17日(土) |
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moussaka |
ムサカ 日本でギリシャ料理といえば、まずこの料理でしょう。ところが「ムサカ」とはギリシャ語ではなく、アラビア語で「冷やしたもの」を意味する「ムサッカア」が語源だそうです。しかもオリジナルはナスを中心とした野菜の炒め煮で見た目はラタトゥユにそっくり! 経由地のトルコではこれをピラウ(バターライス)やジャジク(ヨーグルト料理の一種)に添えて食べていますから、僕たちが知っているラザニア風のものとは似ても似付きません。そこで登場するのが20世紀初頭に活躍したギリシャ人シェフのニコラオス・ツェレメンテス。ウィーンで料理を学び祖国の近代化を標榜した彼は中東の影響が色濃く残るギリシャ料理の脱亜入欧をもくろみ、シンプルな炒め煮だったムサカを素材ごとの層に並べ、ベシャメルソースをかけてオーブンで焼いてしまったのです! こうして換骨奪胎されたお洒落バージョンのムサカが西欧をはじめ日本でも知られるところとなったのでした。しかしながら誇り高きギリシャ人が手放しで新興国の文化を受け入れる筈がありません。ベシャメルソースにたっぷり入るバターをオリーブオイルに置き換えたり、時にはヨーグルトを混ぜるなどして健康的にギリシャ化することも忘れていなかったのですね。 |
garídes saganáki |
ガリデス サガナキ ギリシャの大衆食堂タベルナでサガナキを注文すれば、一般的にはこんがり焼いたチーズが出てきます。しかしこの言葉は料理に使われる小さなふたつの取っ手付きフライパン、サガニ (sagani) の指小辞であり、遡ると銅鍋を意味するトルコ語のサハン(sahan)から更にアラビア語のサン(sahn)に辿り着くそうな。となるとサガナキとは焼いたチーズではなく、もともとこの鍋を使って作る料理の総称だったのかもしれません。なるほど僕たちが訪れた港町のテッサロニキでは、ムール貝やエビをちょっとスパイシーなトマトソースで軽く煮たバリエーションがありました。目を引いたのは僕たちの食べたサガナキがサガニではなく陶器の皿に盛りつけられていたこと。こんな風に料理は変化して行くのかもしれませんね。ここで皆さんにご紹介するのはエビバージョン。このレシピはアニスが香るギリシャの地酒ウゾでエビをフランベし、コクのある山羊のフェタチーズを加えるのがお約束です。きりっと冷えた白ワインとのマリアージュを是非お楽しみ下さい! |
Arni Lemonato me Patate |
アルニ レモナト ギリシャは気候・地形的に牛を育て難く、肉と言えばチキン、ポーク、山羊や羊が主となります。中でもラムは昔から祝祭の食卓に欠かせないご馳走のひとつ。これに中東を経由して伝わったレモンと新大陸の野菜が結び付いて生まれたのがこの料理です。僕たちが訪れたアテネのタベルナではたいてい見かけた定番的な主菜でした。柔らかく下茹でしたラムとポテト、トマトをキャセロールに入れ、濃厚なブロスとレモンジュースをたっぷりかけてベークしたボリューム感ある一品。ミントの香りがさわやかなアクセントを添えています。お供をさせるならミディアムボディの赤ワインで決まりでしょう! |
今回のおすすめギリシャワイン 白 キリ・ヤーニ パランカ・ホワイト 3700円 生産地 マケドニア地方 赤 ネミオス・イノス 3800円 生産地 ネメア地方 |
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