<<旅のメニューが変わります>>

 中央アジア料理特集

西はドイツから東は日本まで、ユーラシア大陸にはギョーザに似た料理や麺類が広く分布しています。
そのルーツを追いかけて、今回僕たちが訪れたのは、中央アジアのウズベキスタンとカザフスタン、そしてキルギス。
ここには東アジアや中東とは異なる、独特な食文化が育まれていました。
また各国で同じ名前の料理があっても、食べ比べてみると、そこには微妙な、時には大きな違いがあったのです。
『中央アジア』、『旧ソビエト連邦』、はたまた『スタン系の国』と呼ばれる、近くて遠い国々の料理から、
今回は日本との意外な関係があるかもしれない、こんな3品をご紹介しましょう。

期間 2016年10月6日(木)〜12月末日(予定)

ラーメンの祖先?

 キルギス ビシュケク風ラグマン 
                        900円

麺を製造方法で大別すると蕎麦のような切り麺系、春雨やビーフンの押し出し麺系、 そして今や国民食となったラーメンに代表される手延べ麺系の3種類になります。
ではラーメンを名前と作り方で遡ると何処へ行きつくのか?
一説によると、ラーメンは中国語の「ラーミェン(拉麺)」に遡り、 それが更に中国西部で使われるドンガン語の「リューミエン」、 ウイグル語の「ランマン」に続くと言われています。 僕たちが中央アジアで食べたラグマンは、このランマンに最も近い物のひとつで、 キルギスでは「ラミアン」とも呼ばれていました。
うどんのような麺がスパイシーなビーフスープに入り、ハーブが香るこの直系に近い料理を、 皆さんはどう感じるのでしょうか?
量はラーメンの2/3程度なので、ととら亭では前菜に位置付けています。

ギョーザの兄貴?

 ウズベキスタン サマルカンド風マンティ
                      1000円

トルコのギョーザは「マントゥ」、韓国では「マンドゥ」。 同じアジアとはいえ西と東に大きく離れた国同士で、なぜ同じように呼ばれているのか?  実はユーラシア大陸の旅でみつけたギョーザの最もポピュラーな名前は、 中国語の「饅頭(マントゥ)」が転訛したものだったのです。 もともと中国で「餃子(ヂャオズ)」は「饅頭(マントゥ)」と呼ばれており、 その後、具の入ったものは「包子(パオズ)」、具のないパン状のものが「マントゥ」に変わるのですが、 分離する前の段階で伝播したものが、「マントゥ」の名を引き継いでいるようです。 日本のギョーザは「包子(パオズ)」が「餃子(ヂャオズ)」に転訛した後に伝わったものですから、 マントゥ系の弟分と言えるのかもしれません。 中央アジアではより元祖に近い「マンティ」が広い範囲で食べられていました。 クミンが香るラム肉をやや薄めの皮で包み、蒸したマンティをヨーグルトとディルを添えて頂きます。 ご注文を頂いてから包んで蒸しますので、30分ほどお待ち下さい。

肉じゃがの異母兄弟?

 カザフスタン シムケント風クルダック 
                      1500円

肉を煮た料理は世界中どこにでもあるので、発祥地云々を語ることは出来ません。 しかし、大航海時代にスペインが南米からヨーロッパへ持ち帰ったジャガイモとの結びつきは、 日本の肉じゃがでも見られるように、各国各地で様々なバリエーションを生み出しました。 中央アジア一帯で食べられているクルダックもそのひとつ。 元来はシンプルな肉の炒め煮だったのですが、ソビエト連邦時代にジャガイモがもたらされ、 今日のこの料理が出来上がったのです。 肉はラム、ビーフ、チキンなど何でもよく、玉ねぎと一緒に炒めてからジャガイモと煮るところは、 まさに肉じゃがと言えましょう。 ととら亭でご紹介するのはカザフスタンで食べたチキンバージョン。 トマトの風味も加わった、ほんのりスパイシーな中央アジアの肉じゃがに、 オニオンスライスと浅葱を散らしてどうぞ。

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