<< 旅のスタイル 海外編 >>

 

国内はバイクで回っていましたが、
海外に持って行くとなると移送コストもさることながら、
税関手続きが厄介です。
そこまでこだわるより、発想を変えて、
僕の旅はバックパッカータイプになりました。

この名称は旅人の外見に由来しています。
つまり、大きなback pack(リュックサック)を背負った姿。
それにerが付いて人を表しています。
怪しげな和製英語ではありませんから、当然海外でもほぼ通じます。

都内でこの種族を見かけられるスポットは、
空港を除いて京成線の上野、成田間が一番でしょう。
乗っているのは勿論、スカイライナーではありません。
理由は言うまでもありませんよね?

バックパッカーの旅は基本的に個人旅行なので、
航空券はもとより、宿、食事の手配も全部自分で行います。
短期間の場合はスケルトンツアー、
(航空券と宿のみのツアー)を利用することもありますが、
長期間の旅では旅程が変化してしまうので、
自ずと先々の予約はできず、宿の確保などは当日になります。

おっと、その前にビザの取得、入出国手続き、両替などもセルフサービス。
空港から市内への移動もそう。
つまり一切合財自分でやる。換言するなら自分で歩かない限り、
一歩も進めない旅、それがバックパッカーのスタイルです。

持ち物は背負って歩くのですから必要最低限。
死体を入れられそうなサムソナイトをゴロゴロ転がしたバックパッカーには、
今のところお目にかかったことがありません。
日本でしか手に入らない、外国で買うと高い製品以外は現地調達が基本。

宿はいわゆる安宿が中心となります。
ツアーで使われるホテルとの主だった違いは、
バス、トイレは共用が多く、部屋の内装は日本の古いビジネスホテル程度。
エアコン、テレビはオプション。
ロビーには様々な国籍の旅人が書き込んだ情報ノートもあったりします。
国によって違いますが、料金は日本円で300円から2000円くらいでしょうか。

それからもうひとつ大切なこと、いや一番重要なことかもしれないこと、
それは「自分の身は自分で守る」です。
別の言い方をすれば全ては自己責任。
理由は明白。公には行く必然性のない場所へ自由意志で行くのですから。
宿を探す時は周辺の治安にも注意します。
夜、宿の目の前で強盗にあってはかないませんし。
宿自体が泥棒宿だったり売春宿だったりすることもありますから、
宿選びは結構慎重です。

食事はローカル食堂。
格好が格好なのでドレスコードがあるような店には入れません。
もちろん予算の都合もありますが。
しかし、貧相なものばかり食べているかというと、そうではなく、
逆に地元の人々で混雑している食堂には、安くて美味しいものが沢山あります。
ととら亭で紹介している旅のメニューはこうした所で探してきます。

よく海外旅行は言葉が不安と聞きますが、確かにそうですね。
英語が通じるとは限りませんから、
僕たちはサバイバルレベルで現地の言葉を覚えて行きます。
これはそれほど難しい話ではなく、100フレーズもあれば十分旅ができます。
それに旅の密度は交わした会話の量に比例しますので、
積極的に話しかけて現地の人から直接教えてもらうのもよく使う手です。

こう書いていると、バックパッカーのスタイルは、
起業するプロセスと驚くほど近いことに気が付きました。
そうなんですよ、ととら亭は事業計画の段階から、
僕たち二人にとって今までにない、新しいもうひとつの旅なのです。

 

 

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