取材地が決まったら、
ととら亭で紹介できそうな料理のリストを予め作っておきます。
条件は、その土地の特徴的な料理であること、
食材が日本で手に入ること、
そして、後で述べる、ととら亭の提供ラインに乗せられることです。

都内で取材国料理の専門店がある場合は、事前に食べ歩くこともありますが、
日本となじみの薄い国が多いので、こうしたケースは殆どありません。

現地では先のリストにアップした料理を、店を変えて3、4回食べてみます。
1軒だけだと、何処までがその料理の本質で、
どこからがその店独自の特色なのか分からないからです。
最初は楽しくても、
旅の後半で疲れた胃には、だんだんつらくなってきます。

幸いにもリストチェックが予定より早く終わった時には、
現地で初めて見た料理にトライすることもあります。
そこから採用した料理もありました。

店の選定は、宿のフロントや、
飲食業以外の現地の人に訊いて決めることが多いのですが、
基本的には旅人が持つ「野生の勘」に従います。
大体、繁華街の脇道にあり、現地の人で賑わっている店はハズレません。

その他の情報収集も大切です。
飲食店が繁忙時ではなく、英語か日本語が通じる場合は、
料理について質問することがあります。
失礼に当たらなければ、食べているものについて他のお客さんに訊いたりすることも。
時には現地のクッキングスクールにも通います。

取材地でしか手に入らない英語版のレシピ本は重要な資料となりますので、
飲食店だけではなく、書店も必ず行ってみます。

また、市場、金物屋は料理の背景を理解するために欠かせない場所です。
博物館、美術館も食器、調理器具、風俗画の中で、
思わぬヒントが見つかることがあります。

こうして毎日かなりの距離を歩きますから、
食べている割には帰国後に体重が増えていることがありませんね。

 

*
*
*



Copyright 2010-2014 TOTORA-tei All Rights Reserved